お絵かきソフトとしてよく用いられているクリップスタジオとアイビスペイント。
そのデータの互換性についてはどのようになっているのか、検証してみました。
クリップスタジオのデータをアイビスペイントで開けるのか?
私は以前、パソコンなどでクリップスタジオを使っていたことがありまして、その時に描いたイラストなど、クリップスタジオ形式で保存されているものがまだ残っていたりします。
もちろん普通にJPEG形式で保存もしてありますが、クリップスタジオ形式で保存しているものに対してレイヤーなどの情報がアイビスでも引き継げるのだろうか?と疑問に思い、試してみることにしました。
まずはフォルダー内からクリップスタジオ形式で保存している画像を選択します
拡張子が「clip」になっているのがクリップスタジオ形式で保存されているものです。
1番右の「自画像アイコンノーマル001.clip」を選択しました。
右上のボタンを押し、ibisPaint Xのアイコンをクリックします。
エラーが出てしまいましたね…
対応しているファイルとして、
「ipv 」「zip」「ttf」「otf」「ttc」「psd」
と、なっており、クリップスタジオの拡張子は記載されていません。
結論: クリップスタジオ形式のデータはアイビスペイントでは読み込めない
と、いうことのようです。
私が持っていたクリップスタジオ時代のデータは、今のアイビスでは使えないということがわかりました。
…残念と言えば残念ですけど、まぁそれは過去の産物だから仕方がないか、と思うしかないですね。
アイビスペイントのデータをクリップスタジオで読み込めるのか?
では、逆にアイビスペイントのデータをクリップスタジオで読み込むということができるのでしょうか。
マイギャラリーから上の丸印内にあるボタンをクリックすると、様々な保存形式が出てきます。
この中に「クリップスタジオ(clip)」とありますね。
試しにクリックしてみました。すると、
このような表示がされました。
結論: ibisPaint Xからクリップスタジオでデータを開く事は可能。
クリップスタジオも持ってるよ!とか、アイビスペイントで作成したものを途中からクリップスタジオで仕上げる、といったときには可能であると言うことです。
ibisPaint X公式お絵かき講座でも
アイビスペイント(スマ―トフォン/iPad)で描いた作品を書き出して、レイヤー構成などを保持したままCLIP STUDIO PAINT(スマ―トフォン/iPad/パソコン)に読み込めます。
ibisPaint Xとの記載がありました。
アイビスペイントは複数デバイスでの利便性があるので、外出時などは持ち歩きに便利なスマホやタブレットを使い、アイビスペイントで下書きをし、家に帰ってからはパソコンのクリップスタジオで仕上げをする、といった使い方もできそうです。
クリップスタジオを入手する機会があり、アイビスペイントからクリップスタジオへのデータ読み込みをやってみました。
すると、確かにデータの読み込みとしてレイヤー情報は引き継がれるのですが、文字はラスタライズされてしまっていました。
別の画像形式で保存すると、引き継がれるのはレイヤー情報のみのようです。
文字を入力してある画像の際は、その点をお気をつけください!
まとめ
ざっくりまとめると、レイヤー保持でのデータ互換性は
× クリップスタジオ→アイビスペイント
○アイビスペイント→クリップスタジオ
こういうことになりますね。
最終的に完成画像を保存すると言うことであれば、どちらのソフトでも構わないと思うのですが、途中で直しを入れたいとか、レイヤーを書き換えたいと言うような場合には、こうした互換性の差が生じますので、この結果を踏まえてペイントソフトを選ぶと言うのもありかと思います。
ペイントソフトは用途やインターフェイスによってもだいぶ好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、後々のことを考えたとき、互換性といったところも選択肢の1つとして重要視するべき点ではないでしょうか。